インタビュー
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うつという名に隠れて併発している疾病を見つけ、同時に治療していくことが再発予防につながります。
同じうつ病でも人それぞれの背景があります。患者様の声をよくお聞きし、原因となる部分を探っていきます。うつ病でも不安障害などが併存している恐れがありますので、同時に治療していき、再発予防に努めています。
医師を志し、精神科を目指されたご理由はありますか?
小学校の時は刑事に憧れていて、一時期は漫画家になりたいと思っていたこともありました。しかし、何を目指そうと真剣に考えた時に、自分は集団行動を求められるサラリーマンには向いてないと感じ、母のすすめもあって医者になろうと思いました。そのため、浪人した時に文系から理系へ転向しました。
受験している時はどんな医者になろうかなどと考える余裕もなく、ただひたすら合格という目標に向かっていました。そして、無事大学に合格し、人の精神や心に関心があったことと、人の人生に関わる仕事をしたいと思い、精神科の道を選びました。
診察の際に心がけていることや大切にしていることはありますか?
同じ病気であっても、人それぞれ背景にあるものは違います。まずは話をよく聞いていくのが大切です。診断後には病気だったのだから自分が悪いわけではないと胸をなで下ろす方もいらっしゃいますが、自分はそんな病気ではないと病気自体を否認される方もいらっしゃいます。
疾病否認傾向がある方は、治療を始めてもうまくいかないケースが多々あるので、一度ご自宅に帰っていただき、決心が固まってから治療を始めていただくようにしています。 また、全般性不安障害の方は薬に対しての不安も強い傾向があります。誤ったネット情報をうのみにせず、分からないことは何でもご相談ください。
院内の内装や空間作りでこだわっていることがありましたら教えてください
ご来院された患者様が安らいでいただけるように、変におしゃれなインテリアを置かずに、日常的なものを配置するように心がけています。マガジンラックには、漫画を置いたり、目線を上にあげた先の天井には、青空に雲が浮かぶ空の絵が描かれた壁紙を貼ったりと、待ち時間もリラックスしていただけるように工夫しました。
スタッフの方にはどのような接遇をするように伝えていらっしゃいますか?
スタッフ同士の雰囲気は、患者様にも伝わることがあります。そのため、お互いを思いやり、尊重するなどの社訓のようなものを掲げています。スタッフの思いや雰囲気が明るくなるようにしております。
心の病にならないための予防法や治療中に気を付ける点はありますか?
心の病気はたくさんの種類があります。うつ病という病気も、元々持って生まれた素質、ストレスや環境の変化、マイナス思考が強すぎるなど、発病する原因は多岐にわたります。その原因が分からずにうつ病になってしまうわけですから、初めてうつ病になることは仕方がないことだと思います。ですから大切なのは、来院された後の症状の悪化や再発に対する予防です。
例えば、うつ病の背後には不安障害が隠れていることがあり、その場合、うつ病だけを治療しても原因となる不安障害も同時に治療していかなければ、再発する恐れがあります。原因となる部分を見つけ、併存症も同時に治療するよう努めています。治療中は、できる限り心の負担を減らすため、職場などで環境調整を行えるよう、サポートさせていただきます。